Youtubeでは2017年1月よりライブ配信者への投げ銭機能「スーパーチャット」が解禁されましたが、スパチャが大きな注目を浴びるきっかけの1つはvtuber界隈で積極的に活用されているからかもしれません。
広く投げ銭機能が注目されて話題になったのは、ミライアカリちゃんの年越し生放送だったでしょう。
高額スパチャ通称赤スパが飛び交い1回の放送で100万円以上のスパチャが集まったそうで大きな話題になりました。
あれから2年以上の時間が経過し昨今はコロナの影響でネットライブが積極的に開催されるようになり、投げ銭およびスパチャは多くの人が知り利用する機能になったのかなと思っています。
vtuber界隈のスパチャは2年前に想像出来なかった規模になっていて、月に1000万円を稼ぐvtuberが登場し100万円を稼ぐvtuberは数十人いるとんでもない状況になっています。
夢のある世界になっているのは界隈の発展にも繋がることですし良いことだと思っていますが、一方で長期的には高額のスパチャに頼るよりは多くの人に少額のスパチャを広く浅く貰う、メンバーシップで月に少額を定期的に貰う、グッズで稼ぐほうが個人的には良いと思っています。
あくまでも個人的な考え方ですし、短くない期間赤スパが飛び交って数百万円稼いでいる状況なのでズレているのかもしれません。
それでも私は長期的には広く薄く集めた方が考えているので、個人的な考えをつらつらと書いていきたいと思います。
高額スパチャを貰うことと人気になることが矛盾しないか
色々な考え方の人がいると思いますが、私はスパチャは応援あるいは支援の意味で非常に有用だと思っています。
特に活動初期のスパチャはvtuber本人が何よりもありがたいものでしょう。
1人が3000円をスパチャしてくれたら3割をYoutubeが手数料で得ても、残りの7割の2100円を現金で本人は受け取ることが出来ます。
もし広告収入で同じ収入を得ようと思ったら0.1円計算で21000再生も必要で、何かのきっかけで動画がバズらない限り活動初期に万の再生数は不可能だと思います。
スパチャはvtuber本人の活動を支える強力な応援手段だと思いますが、高額スパチャに頼った活動には個人的には懐疑的です。
高額スパチャが悪いと言うわけではありません。
ただ仮に毎回3万円を投げ銭する1人と1000円を投げる人が5人いる状況では、どうしても3万円を投げてくれる人を優遇することになります。
圧倒的な支援をしてくれているわけですから当然だと思いますし、稼ぐことを考えると3万円を投げる人を最も優遇するべきです。
もしこの状況で3万円を投げる人が「このゲームではなくあのゲームをして欲しい」と要望を出してきたら優遇してあのゲームで遊ぶべきでしょう。
3万円を投げる人は要望を叶えてもらえて嬉しいと思いますが、スパチャをしない視聴者が望む方向性と違っていたらその人達は離れていってしまうでしょうね。
高額スパチャを貰って稼ぐことと多くの人に見てもらって人気になることは矛盾するのではないかというのが私の考えです。
現実に複数の人気vtuberが高額スパチャで稼いでいるので矛盾していないのかもしれませんが、高額スパチャで稼ぐことを優先すれば活動が一部の人の理想像に近づいていって多くの人から人気を得にくくなってしまうように思えるのです。
高額スパチャで応援する人が純粋に人気になって欲しい楽しく活動してほしいと願い、多くのファンと理想像が重なっているような状況でないと難しいはずです。
また高額スパチャをするAという人とBという人がいるとします。
仲良く応援してくれていれば良いのですが、vtuberの活動と全く関係のないことで喧嘩のようになってAが離れてしまうようなケースは考えられます。
Aの高額スパチャを皮算用していると活動と関係のないことで突然大幅な収入減となり、今後の活動に支障が出るはずです。
喧嘩のようになり一方が離れたケースでは、しばらくしてBも離れる可能性があります。
一緒に応援をしていたAを離れさせてしまった負い目から楽しく応援出来なくなる気持ちはよく理解出来ます。
高額スパチャをしてくれていたAとB両方が活動と関係ないことで離れてしまい、この2人のスパチャに頼って活動していたvtuberは窮地に陥ります。
他にも生活が忙しくなる、新しいゲームの優先度が上がる、日常生活で高額の支出が発生するなどvtuberの活動と関係なく高額スパチャが突然出来なくなる可能性はあります。
なので私は長期的には広く浅く、多くの人から少しずつお金を集めるかグッズで稼ぐほうがリスクを少なくして安定的に稼げるのではないかと考えています。
グッズの売上実績がさらに別のグッズへ繋がる
メンバーシップは広く浅くを実現しやすい機能です。
メンバー専用バッジやメンバー限定の配信を行うことで分かりやすくお金を払ったことに対する優遇が出来るのもメリットですが、vtuber本人にとっては収入を予想しやすいのもメリットとなります。
メンバーシップ人数×月額で人数は大きくは変動しないはずなので、スパチャよりもいくら入ってくるのか予想しやすく突然大幅な収入減で活動に支障が出ることは起こりにくくなります。
スパチャを多くの人が少しずつ投げる体制にするには、他にもお金を使える選択肢を用意すること、少額でも投げやすい雰囲気を作っていけば自然に広く浅くスパチャで稼げる環境に近づいていくのではないかなと思っています。
メンバーシップもそうですが活動以外の影響で離れてしまう人は必ず出てくるはずで、もし離れてしまったとしても投げる額が少なければリスクは少なく出来ます。
私は本当はグッズで稼げるのが理想的だと考えています。
例えばグッズを1000円で売っても制作費などの費用を考えたら手元に100円も入らないのかもしれません。
手元に行くお金を考えたらスパチャは最高の応援手段です。
ただお金を払って分かりやすく物の形でファンの下に来たほうがお互いに健全な気が私はしています。
たまに「こんなに支援してもらっているから活動で返さないといけない」と活動を気負いすぎているvtuberを見ると、グッズを売って喜んでもらった収入の方が変に気負いすぎなくて良いのかなと思ってしまいます。
スパチャで1000万円稼ぐvtuberとグッズを1000個売った実績のあるvtuberがいたら、グッズ制作の依頼が来る可能性が高いのは後者です。
一番困るのはグッズを作ったけれど売れないことで、特に制作会社がグッズ制作を請け負い在庫管理までする場合にはこれは絶対に避けたいことです。
グッズが売れないと制作費が丸々損失になるだけでなく、在庫の保管費が掛かりさらにその時間とお金をかければ別のグッズが作れた機会損失となります。
スパチャで1000万円稼げるvtuberは確かに凄い購買力を秘めている可能性がありますが、グッズを買ってくれるのかは予測出来ません。
グッズを1000個売った実績があれば、次に販売するグッズがどれだけ売れるのかある程度予測が可能になります。
グッズ制作というのものは決まってすぐグッズが出来るものではなく、制作して販売するまでかなりの時間が掛かります。
仮に原型が出来ていても販売まで3ヶ月から半年まで掛かるのを体験しています。
グッズの販売実績がないと販売数の予測が出来ず、時間が掛かるため最悪の場合には販売時に人気がなくなっていて全く売れない可能性も0ではありません。
そのためすでにグッズの販売実績があるvtuberのグッズが集中的に販売されるわけです。
グッズの販売実績がさらに別のグッズへと繋がるプラスの循環で、1度グッズが出て売れればどんどんグッズが出ることになります。
確かにvtuber本人の手元に行く金額は減ってしまいますがグッズが次々と販売されれば少なくない金額を稼ぐことが出来て、さらにUFOキャッチャーなどのプライズ商品は置いてあるだけで宣伝にもなります。
ファンはお金を払ってグッズを買って手元に物を得て所有欲を満たすことが出来ます。
人気が出てきてスパチャで支援してもらえるようになったら、スパチャに頼り続けるのではなく長期的には広く浅くグッズなどで安定的に稼げるようにしていったほうが良いのではないかと私は思っています。